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zoom RSS 特許多腕人間方式−海野十三

<<   作成日時 : 2008/01/14 14:08   >>

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 以前、このブログで紹介した海野十三(うんのじゅうざ)ですが、徳島で現在「海野十三展」が開催されています。

 「『日本SFの父』顕彰 県立文学書道館、海野十三展始まる

 この海野十三、小説家として有名ですが、実は弁理士でもあることをご存知でしょうか?海野の小説に、弁理士が主人公の小説「特許多腕人間方式」があります。おそらく弁理士を主人公とした唯一の文学作品ではないでしょうか?

 この小説は青空文庫で読むことができます(↓)。短い小説なので読んでみてはいかがでしょうか?

 「特許多腕人間方式

●あらすじ
 特許事務所の弁理士である主人公「加古先生」のところに、田方堂十郎という客が特許出願を依頼に来る。発明の内容は、健常者に機械的な腕を取り付けて三本腕とすることで、人間の働きを五割方増加させるというもの。発明者は大金を払って加古先生に出願を依頼する。

 加古先生は、腕を無くした人につける義手とは異なり、二本腕が満足にそろった人に機械腕を取り付けて三本腕とする点に発明のポイントがあると理解する。そして、三本目の腕をどこに取り付けるかといった実施態様をあれこれと考えながら明細書を作成し、特許庁へ出願する。

 しかし、特許庁からは2度の拒絶理由通知書が届く。1度目は「義手義足」を引例とした拒絶理由であったが、加古先生はこれに対して審査官面接と意見書提出で反論を行う。
 2度目の拒絶理由では多腕をもつ「千手観音立像」が引例とされる。これに対して加古先生は意見書で反論し、その結果、見事公告決定される。

 加古先生は喜んで田方氏のアパートを訪れるが、氏はアパート代を滞納したままどこかへ出かけたきり帰って来ない。

 ある日、先生のところに「多腕人間方式」の権利を高値で買いたいという客が来る。その客は、発明が兵器として非常に有用であるためぜひ使いたいのだという。先生は、田方氏の所在をなんとか割り出して訪ねると、そこには頭に機械腕を装着した氏がいた。第三の腕を頭に取り付けるという発想は、動物図鑑の「」から着想したものだという。

 「大発明のタネは、きわめて身辺に転がっているのだ。ただ、その人が、気がつかないだけのことである。」


●現在の実務との比較
 弁理士が主人公である時点で他に無いタイプの小説だと思いますが、発明者や審査官、権利購入を希望する者まで出てきて発明をめぐるさまざまな出来事が生じるというストーリー展開も、他の小説には無い独創的なものではないでしょうか。

 また、この小説、現在の実務にも通じるところがあり、読んでいてなるほどとうなずけるところも多いです。

 例えば、客が説明した「三本腕」の実施形態から、特許請求の範囲を「少なくとも三本」とするとともに発明の名称を「多腕」としたくだりは、権利範囲を広げるため弁理士であれば当然に考えることであり、今昔問わず弁理士に求められる基本的な素養でしょう。

 また、本発明が従来の「義手」とは異なることを理解して明細書を書いたにもかかわらず、拒絶理由通知で「義手」が引用されて悔しがるくだりなどは、明細書に記載した自分の意図が審査官に伝わらなかったという経験をお持ちの方でしたら、共感できるのではないでしょうか?

 今も昔も、弁理士の仕事はそれほど変わっていないのですね。

 個人的には、拒絶理由に千手観音が引用されるという点が結構笑えました。強引にも程がある。。。

 ところで、特許出願料が100円、成功報酬が100円というのは、現在の貨幣価値でいくらぐらいなのでしょうか?

 この作品が書かれたのが1941年なので、その頃の貨幣価値からすると当時の100円=現在の20〜30万円くらいではないでしょうか?
 出願手数料は今とそれほど変わらないようですね。ただ、同額の成功報酬がもらえるという点では昔のほうがおいしい商売だったようですね。

 この小説に記載されている特許請求の範囲です。皆さんならどのような記載にしますか?

特許請求ノ範囲
本文ニ記載ノ目的ニ於テ、本文ニ詳記シ且別紙図面ニ付説明セル如ク、略ボ腕ト等効ナル動作ヲナス機械腕ヲ、腕関節ノ運動ト無関係ナル如キ身体ノ部位ニ取付ケ、従来ノ二本ノ腕ト共ニ、少クトモ三本ノ腕ヲ保有操作シ得ルコトヲ特徴トスル多腕人間方式。


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内 容 ニックネーム/日時
はじめまして、ブログ初心者のがっちりと申します。
私も特許に興味があり去年からの出来事をウェブリブログに載せています。
「特許でがっちり」と題して書いております。
よろしければコメント、アドバイスいただければ幸いです。
がっちり
2008/02/09 18:43

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