アメリカで銃乱射-特許が関係?




 アメリカのシカゴで銃の乱射事件がおきました。アメリカでは銃の乱射はよくあるのですが、今回に関してはひとごとではなさそうな・・・。

 というのはこの事件、犯人は、知的所有権を担当している弁護士に自分が考案した発明を取られたと思い込み、凶行に及んだからです。

 「ライブドア・ニュース-米シカゴ銃乱射事件、犯行動機は特許めぐる弁護士への逆恨み=犯人は前科3犯

 むかし通っていた弁理士受験予備校で、講師の先生が、
「弁理士はいい商売だ。弁護士や医者は困った人を相手にするが、弁理士は発明して喜んでいる人を相手にする。弁護士などは困っている人が相手だから、逆恨みなどで危ない目に遭うこともあるが、弁理士は喜んでいる人を相手にしているから、危ない目に遭うようなことはまずない。」
という話をされていました。確かにそのとおりでしょう。私もあの当時なるほどと思いました。今でも危険の少ないよい商売だと思っています。

 でも、上の事件が示すように、弁理士(上の事件は弁護士ですが。。)であっても楽観はできません。外国での出来事とはいえ、日本でも似たような事態が十分に起こり得ます。特にありがちなのが、特許についてよく理解していない個人発明家の代理をして、拒絶理由通知や拒絶査定が来たときです。高い金を払って弁理士に頼んだのに、なぜ自分の発明は認められないのか、と。弁理士が自分の発明をちゃんと理解してくれていないのではないか、自分が悪いのではなく弁理士が悪いのだ、と。このとき、その発明家に弁理士への殺意が芽生えるかもしれません。

 特に、発明への期待が大きい人ほど、その期待を裏切られたときのうらみは相当なものでしょう。

 そうならないようにするためには、どうすればよいか?

 発明者に対し、特許に過大な期待をさせないことが大事です。特許は儲かるものという幻想を捨てさせ、真に出願するべき発明なのかを冷静に考えてもらうことが大切です。その上で、出願しても先行技術があれば特許にならないこと、たとえ特許になったとしても権利行使は慎重に行うことなどをわかってもらうことです。
 弁理士も、出願すべきでない発明を安易に出願しないことです。IPDLなどでちょっと調べて先行技術がいくつも挙がるような発明は、その先行技術を知らせて出願を考え直してもらうことが、上のようなトラブルに巻き込まれないようにする最良の方策でしょう。

 巷の本屋には、特許でこんなに儲かる!的な本が数多く並んでいます。弁理士会も、ヒット商品を支える特許ばかりを集めた冊子を作成し、特許活用をPRしています。
 しかし、世の中にあるのは特許のプラス面ばかりを書きたてた本ばかりで、マイナス面について書かれた本はほとんど見かけることはありません。あまり良い面ばかり見せられると、正常な判断を行うことが難しくなるのが人間です。

 特許にもマイナス面は数多くあります。本来はノウハウとしてとどめておくべき発明を、誤って特許出願したばかりに公開され、他人に真似されたなんてことは、よくあることでしょう。また、大企業に対して権利行使をしたため、3倍返しをくらって大損したなんてこともありえます。

 特許の失敗事例集みたいなのを作ってみるのも面白いかもしれませんね。

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